
iDeCoが改悪されるって話を最近よく聞くけど具体的になにが変わるんだろう?
老後資金準備の強い味方として人気のiDeCo(個人型確定拠出年金)ですが、最近「iDeCoが改悪される」という声を耳にして、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに2025年度の税制改正により、一部のルールが変更され、人によってはデメリットが生じる可能性があります。しかし、今回の改正は「改悪」だけではありません。むしろ、多くの人にとってはメリットの大きい「改善」点も含まれています。
この記事では、iDeCoの制度改正について、「改悪」と言われる理由から「改善」されるポイント、そして今後どのようにiDeCoを活用していくべきかまで、分かりやすく解説します。
なぜ「iDeCo改悪」と言われるのか?
今回の制度改正で「改悪」と指摘されている最大のポイントは、iDeCoを一時金で受け取る際の「退職所得控除」のルール変更です。
これまで、iDeCoの一時金を先に受け取り、その5年以上後に会社の退職金を受け取る場合、それぞれの受け取り時に満額の退職所得控除が適用され、税負担を大きく軽減できるというメリットがありました。このルールが、2026年1月から「10年ルール」に変更されます。
つまり、iDeCoの一時金と会社の退職金をそれぞれ満額の控除を受けながら受け取るためには、受け取りのタイミングを10年以上空ける必要が出てくるのです。例えば、60歳でiDeCoを受け取り、65歳で退職金を受け取るようなケースでは、控除額が減り、結果的に手取り額が減ってしまう可能性があります。

普通に受け取ったら手取りが減っちゃうかも!
実はメリットもある!iDeCoの「改善」ポイント
一方で、今回のiDeCo制度改正には、それを上回るほどの「改善」点も盛り込まれています。
- 掛金上限額の大幅アップ:
2025年度の税制改正により、iDeCoの掛金上限額が引き上げられる予定です。例えば、自営業者などの第1号被保険者は月額7万5,000円に、会社員や公務員などの第2号被保険者は月額6万2,000円に引き上げられる見込みです。これにより、より多くの掛金を拠出でき、節税効果を高めながら老後資金を準備できるようになります。 - 加入可能年齢の引き上げ:
現在65歳未満(一部を除く)とされている加入可能年齢が、70歳未満に引き上げられる予定です。これにより、より長くiDeCoを活用して資産形成を続けることが可能になります。 - 手続きの簡素化:
2024年12月から、会社員や公務員の方がiDeCoに加入する際に必要だった「事業主の証明書」が原則不要になりました。これにより、加入手続きの手間が大幅に軽減されます。

iDeCoをより長く運用できるんだね!
今回の改正で影響を受ける人と、その対策
今回の「改悪」と言われる退職所得控除のルール変更で、特に影響を受ける可能性があるのは、iDeCoの一時金と会社の退職金を5年〜10年未満の間隔で受け取ることを検討していた方です。
では、どうすればこの影響を回避できるのでしょうか。
- 受け取りタイミングを調整する: iDeCoの一時金と退職金の受け取りタイミングを10年以上空ける、という方法が考えられます。
- 年金形式で受け取る: iDeCoは一時金だけでなく、年金形式で分割して受け取ることも可能です。年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるため、税負担を抑えることができます。
- NISAなど他の制度と併用する: iDeCoだけでなく、2024年から新しくなったNISAなど、他の非課税制度も活用し、受け取り時の税負担を分散させることも有効な手段です。

受け取り方の工夫をしよう!
まとめ:iDeCoはこれからも有効な資産形成手段
今回の制度改正は、一部の方にとっては「改悪」と感じられる部分があるかもしれません。しかし、掛金上限額の引き上げや加入可能年齢の拡大といった「改善」点も多く、全体として見ればiDeCoはこれまで以上に活用しやすくなったと言えるでしょう。
大切なのは、制度の変更点を正しく理解し、ご自身のライフプランに合わせて賢く活用していくことです。今回の改正を機に、改めてiDeCoの活用方法を見直してみてはいかがでしょうか。